CAC(顧客獲得コスト)とは?計算方法と削減施策を解説
CACとは、新規顧客1人を獲得するために要したマーケティング・営業コストの合計を指す指標です。
CACは「顧客獲得にかかったコスト合計 ÷ 新規顧客数」で算出します。例えば、月間広告費100万円で新規顧客200人を獲得した場合、CAC = 5,000円です。EC事業において、CACは事業の持続可能性を左右する最重要指標の一つです。
EC事業では、広告費の高騰によりCACが年々上昇する傾向にあります。電通「日本の広告費」によると、インターネット広告費は2023年に3.3兆円を超え、前年比107.8%の成長を続けています。広告主の増加によるCPC(クリック単価)の上昇、iOS14以降のプライバシー保護によるターゲティング精度の低下が主な要因です。
CACの算出にはBrended CACとBlended CACの2種類があります。Blended CACは全マーケティングコストを全新規顧客数で割ったもの、チャネル別CACは特定チャネルのコストをそのチャネル経由の新規顧客数で割ったものです。チャネル別のCACを比較することで、最も効率の良い獲得チャネルを特定できます。
CACを削減するためのアプローチは、①オーガニック流入の強化(SEO・コンテンツマーケティング)、②CVRの改善(商品ページの最適化・レビュー充実)、③口コミ・紹介経由の顧客獲得(サンプリング・UGC活用・リファラルプログラム)の3つが主流です。いずれも「広告費に依存しない流入」を増やす戦略です。
特にCVR改善はCACに直接的なインパクトを与えます。例えば、CVRが1%から2%に倍増すれば、同じ広告費でもCACは半減します。レビューの充実は最もコスト効率の高いCVR改善施策の一つであり、サンプリング施策によるレビュー蓄積は、広告のCVR改善を通じて間接的にCACの削減に貢献します。
CAC回収期間(Payback Period)も重要な指標です。CACを投資してから、その顧客から得られる利益でCACを回収するまでの期間を意味します。一般的に12ヶ月以内のCAC回収が健全とされ、これを超える場合はキャッシュフローに問題が生じる可能性があります。
LTVとの比率(LTV/CAC)を常にモニタリングし、チャネル別・キャンペーン別に効率を比較分析することで、マーケティング予算の最適配分が可能になります。サンプリング施策のROIもCACの観点から評価することで、施策の費用対効果を正確に把握できます。
CACのメリット・重要性
- ✓マーケティング投資の効率を定量的に評価
- ✓チャネル別のROI比較に活用
- ✓LTVとの比較で事業の健全性を診断
- ✓予算配分の最適化に不可欠な指標
具体例・活用シーン
リスティング広告経由のCAC:CPC 200円 x CVR 2% = CAC 10,000円
SNS広告経由のCAC:月間広告費50万円 / 新規顧客150人 = CAC 3,333円
オーガニック検索経由のCAC:SEO投資月額10万円 / 新規顧客100人 = CAC 1,000円