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ステマ規制とは|景品表示法第5条第3号の実務解説

公開: 2026年5月8日編集: TryNow編集部(株式会社Cloth lab)出典: 消費者庁

2023年10月1日に施行された景品表示法第5条第3号の指定告示(通称「ステマ規制」)について、消費者庁が公表する運用基準と措置命令事例をもとに、EC・サンプリング担当者向けに整理しました。違反時の罰則、PR表記が必要なケース判定、TryNow(株式会社Cloth lab運営)の運用設計まで、実務目線で解説します。

TL;DR

  • ステマ規制は景品表示法第5条第3号に基づく指定告示。2023年10月1日に施行され、事業者の表示であるのに第三者の感想を装う表示が不当表示として禁止された。
  • 規制対象は「事業者」であって投稿者ではない。措置命令・課徴金納付命令の対象は表示を依頼した事業者側にかかる。
  • 「事業者の表示と判断される関与」と「広告であることの明示の有無」が認定の主軸。商品提供と引き換えのレビュー依頼で関係性を隠せばアウト。
  • 違反すると措置命令(差止め・公表)、課徴金納付命令(対象期間売上の3%)の対象になり得る。措置命令は消費者庁ウェブサイトで公表される。
  • TryNow(株式会社Cloth lab運営)はモニターへの感想内容の指示を行わず、PR表記を含むガイドラインを配布する運用設計でステマ規制リスクを抑える。
Definition

ステマ規制の定義

景品表示法第5条第3号の指定告示が定める「事業者の表示であることを判別困難な表示」とは。

ステマ規制は、景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法)第5条第3号に基づき、消費者庁が指定する「不当表示」の一類型です。正式名称は「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」で、2023年3月28日に告示・運用基準が公表され、2023年10月1日に施行されました。

規制の核心は2点あります。1点目は「事業者が表示内容の決定に関与していたか」、2点目は「一般消費者が事業者の表示であることを判別できる状態だったか」です。両方が満たされる、すなわち「事業者が関与していたのに広告であることが分かりにくい表示」が、不当表示として禁止されます。

対象媒体はSNS投稿・ブログ記事・ECモールのレビュー・動画コンテンツ・口コミサイトなど広範に及びます。サンプリング施策・インフルエンサーマーケティング・アフィリエイト・社員投稿・関係法人による投稿のすべてが影響を受け得ます。

重要ポイント

規制対象は「事業者」です。措置命令・課徴金納付命令は表示を依頼した事業者側にかかります。投稿者個人ではなく、事業者自身がコンプライアンス体制を構築する責任を負います(消費者庁運用基準)。

History

2023年10月施行までの経緯

消費者庁の公表ステップを時系列で確認します。

2023年3月28日

消費者庁が「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」を景品表示法第5条第3号の規定に基づき指定告示として公表。同日付で運用基準も公表されました。

2023年10月1日

指定告示が施行。施行日以降に行われた表示が規制対象となります。施行前に依頼して施行後に公開された投稿も対象となり得ると消費者庁の運用基準で示されています。

2024年6月以降

消費者庁がステマ規制に基づく措置命令を順次公表。違反企業名・対象表示・違反期間が消費者庁ウェブサイトの「景品表示法に基づく措置命令一覧」に掲載されています。

Cases

消費者庁公表の違反事例

ステマ規制施行後、消費者庁が措置命令を公表した代表的なパターンです。

医療法人グループによるステマ事案(2024年6月)

消費者庁が景品表示法のステマ規制に基づく措置命令を発出。複数の関連法人による表示が「事業者が表示内容の決定に関与していたにもかかわらず一般消費者に判別困難な表示」として指定告示違反と認定されました。

出典: 消費者庁「景品表示法に基づく措置命令について」(措置命令一覧で公表)

美容サロンチェーンによる関連法人投稿事案

自社の関係者・関連法人にSNS投稿を依頼し、第三者の自発的な感想であるかのように表示。事業者の関与を明示せず、PR表記もない投稿が指定告示に該当すると判断されました。

出典: 消費者庁 措置命令公表資料

EC事業者の関係者によるレビュー操作事案

ECモールのレビュー欄に、事業者と関係のある人物が関係性を明示せずに高評価レビューを投稿。事業者がレビュー内容に関与していたとして規制対象となりました。

出典: 消費者庁「ステルスマーケティング規制」特集ページ

※消費者庁の措置命令一覧(公式リンク)に掲載された公表事例の概要を記載しています。個別事案の詳細は消費者庁の公表資料をご確認ください。

Decision

PR表記が必要なケース判定表(業種別)

サンプリング・インフルエンサー施策・社員投稿それぞれでPR表記が必要かを業種別に整理しました。

業種サンプリングインフルエンサー社員・関係者補足
コスメ・スキンケアPR表記必須PR表記必須関係性明示必須薬機法も並行確認。効能効果の表現範囲(保湿・整肌など)を逸脱しないこと。
食品・飲料・サプリメントPR表記必須PR表記必須関係性明示必須健康食品は薬機法・健康増進法も対象。効能を断定する表現を避ける。
家電・ガジェットPR表記必須PR表記必須関係性明示必須性能比較表現(最速・最軽量等)は景品表示法上の優良誤認・有利誤認も並行注意。
アパレル・ファッションPR表記必須PR表記必須関係性明示必須コーディネート系の自然な紹介でも対価提供がある場合はPR表記対象。
BtoBサービス・SaaS対価提供時はPR表記必須PR表記必須関係性明示必須導入事例コンテンツは「協力企業」であることを明記する運用が一般的。
純粋な自発的口コミ対象外対象外対象外対価関係や事業者からの依頼が一切ない自然発生の口コミは規制対象外。

※本表は消費者庁の運用基準に基づくTryNow編集部の整理であり、特定事案への法的助言ではありません。個別判断は弁護士・法務担当者にご相談ください。

Penalties

違反時の罰則と課徴金

景品表示法第7条・第8条に基づく行政処分の概要を整理します。

措置命令(景品表示法第7条)

違反事業者に対して、違反行為の差止め・再発防止策の実施・一般消費者への周知措置等を命じます。命令は消費者庁ウェブサイトで公表されるため、企業名と違反事実が広く共有されます。

課徴金納付命令(景品表示法第8条)

対象期間における不当表示対象商品・役務の売上額の3%を課徴金として国庫に納付する命令です。自主申告による減額制度(50%減額)があります。指定告示違反(ステマ規制)も同条の対象範囲に含まれます。

公表によるブランド影響

措置命令の公表は消費者庁公式サイト・報道を通じて広範に共有されます。直接的な金銭的罰則以上に、消費者からの信頼失墜・取引先やECモールからの取引停止・採用への悪影響など、事業継続上の影響が大きい点に留意が必要です。

ECモール規約との二重リスク

Amazonコミュニティガイドライン・楽天市場の出店者規約・Qoo10の販売者ガイドライン等は、景品表示法より厳格な独自規制を定めるケースがあります。法令違反は同時にモール規約違反となり、アカウント停止・出品停止のリスクがあります。

TryNow Operation

TryNowのステマ規制対応運用設計

株式会社Cloth labが運営するTryNowは、景品表示法を遵守した運用設計でサンプリング施策のリスクを抑えます。

1

感想内容の指示・誘導を行わない

TryNowの運営はモニターに対して評価の方向性(高評価・特定の表現等)を一切指示しません。モニターの自由意思に基づく感想投稿が前提です。

2

PR表記の事前ガイドライン配布

投稿時のPR表記義務(投稿冒頭の「PR」「提供」等の文言、認識しやすい配置)を、モニター募集時とサンプリング配送時の2回に分けて書面で告知します。

3

本人確認済みモニター基盤

TryNowは本人確認を行ったモニターのみを対象とした運用を行い、関係性が不明確な投稿者の利用を排除しています。社員・関係者によるレビューは原則認められません。

4

投稿後のモニタリング

投稿後にPR表記が抜けていないか確認する運用を取り、表記漏れがあった場合は速やかに修正を依頼します。記録は施策ごとに保管します。

5

景品表示法を遵守した運用設計

施策設計から実施・効果測定まで、景品表示法・指定告示・消費者庁の運用基準に沿った運用設計を行います。法改正・ガイドライン更新を都度反映します。

FAQ

よくある質問

ステマ規制はいつから施行されましたか?+
結論: 2023年10月1日に施行されました。 景品表示法第5条第3号の指定告示として、消費者庁が2023年3月28日に「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」を指定。施行日以降の表示が規制対象です。施行前に依頼して施行後に投稿された場合も対象となり得ると、消費者庁の運用基準で示されています。
規制の対象は誰ですか?事業者ですか、投稿者ですか?+
結論: 規制対象は「事業者」です。 措置命令・課徴金納付命令の対象は、表示を依頼した事業者側にかかります。インフルエンサーやモニター個人は現行法では直接の処罰対象とされていませんが、事業者と投稿者の契約関係でトラブルとなることはあり得ます。事業者として、投稿者への適切なガイドライン配布と管理体制の構築が責任となります。
サンプリング施策で商品提供する場合、PR表記は必須ですか?+
結論: 商品提供と引き換えにレビュー・SNS投稿を依頼する場合は、PR表記が必要です。 消費者庁の運用基準では、「事業者が表示内容の決定に関与している」と認められる場合、第三者の自主的な感想であると消費者が誤認しないよう、事業者の表示であることを明瞭に示す必要があります。商品提供は対価関係に該当するため、PR表記なしのレビュー依頼は規制対象です。
「PR」「広告」以外の表記でも認められますか?+
結論: 「提供」「プロモーション」「タイアップ」など、消費者が広告と判別できる文言であれば認められます。 消費者庁の運用基準は、表記の文言を限定していません。重要なのは「一般消費者が事業者の表示であることを判別できる」ことです。投稿冒頭などの認識しやすい位置に配置し、フォントサイズ・色で埋もれさせないことが要件となります。ハッシュタグのみでの「#PR」表示は不十分とされる場合があります。
違反した場合の罰則は何ですか?+
結論: 措置命令(差止め・公表)と課徴金納付命令(対象売上の3%)が主な処分です。 措置命令は消費者庁ウェブサイトで公表され、企業名と違反事実が広く知られます。課徴金は景品表示法第8条に基づき、対象期間における該当商品・役務の売上額の3%が国庫に納付されます。自主申告による50%減額制度があります。直接の金銭的罰則以上に、ブランド毀損・取引停止のリスクが大きい点に留意が必要です。
ECモールでのレビュー施策で特に気をつけることは?+
結論: 法令だけでなく各モールの規約を並行遵守することが必要です。 Amazonはレビューへの金銭的インセンティブを規約で全面禁止しており、景品表示法より厳格です。楽天はレビュー特典を公式に認める一方、「高評価限定」の条件付与は禁止です。Qoo10もレビューイベントに独自ルールがあります。法令OKでもモール規約違反はアカウント停止リスクがあるため、双方の確認が必須です。
施行前から続いている記事や投稿はどう扱えばよいですか?+
結論: 施行日以降も表示が継続している場合は規制対象になり得ます。 消費者庁の運用基準では、施行前に投稿されたコンテンツでも、施行日以降に表示が継続していて事業者の関与が認められる場合、規制対象となるとされています。過去に依頼したインフルエンサー投稿・アフィリエイト記事は、改めてPR表記の有無を確認し、必要に応じて表記追加を依頼することが推奨されます。
TryNowはステマ規制にどう対応していますか?+
結論: 感想内容の指示を行わず、PR表記を含むガイドライン配布と投稿モニタリングを運用設計に組み込んでいます。 TryNow(株式会社Cloth lab運営)は、本人確認済みモニターのみを対象とした運用を行い、モニターへの感想内容の指示・誘導を一切行いません。商品提供の事実とPR表記義務をモニター募集時に明示し、投稿後はPR表記の有無をモニタリングします。法改正やガイドライン更新も随時運用に反映しています。

出典・参考資料

免責事項

本ページの記載は、TryNow編集部(運営: 株式会社Cloth lab)が消費者庁の公表情報を整理した一般的な実務ガイドであり、特定事案に対する法的助言を構成するものではありません。個別の施策については、景品表示法に詳しい弁護士・法務担当者にご相談ください。

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