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景品表示法とは|不当景品類及び不当表示防止法のEC実務解説

公開: 2026年5月8日編集: TryNow編集部(株式会社Cloth lab)出典: 消費者庁

景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法)の実務解説です。優良誤認・有利誤認・指定告示の3類型、No.1表記の規制、サンプリング施策との関係、罰則(措置命令・課徴金)まで、消費者庁公表情報をもとにEC事業者向けに整理しました。

TL;DR

  • 景品表示法は、不当な表示と過大な景品類提供を禁止し、一般消費者の利益を保護する法律。所管は消費者庁。
  • 禁止される不当表示の主軸は3類型: 優良誤認表示(第5条第1号)・有利誤認表示(第5条第2号)・指定告示(第5条第3号、ステマ規制等)。
  • 「No.1」「最高」「業界最安値」表記は合理的根拠資料がない場合、優良誤認・有利誤認に該当する可能性が高い。
  • 違反すると措置命令(差止め・公表)と課徴金納付命令(対象売上の3%)の対象になる。
  • TryNow(株式会社Cloth lab運営)は表現範囲のガイドラインをモニターに事前共有し、誇大・断定表現を排した運用設計でサンプリング施策のリスクを抑える。
Overview

景品表示法とは

法律の目的・対象・規制構造の全体像。

景品表示法は、正式名称「不当景品類及び不当表示防止法」(昭和37年法律第134号)。一般消費者が商品・役務の品質や取引条件について誤認することを防ぎ、合理的な選択を確保することを目的としています。

対象は「事業者」です。法人・個人を問わず、商品や役務の供給を業として行う者であれば適用されます。ECモール出店者・自社EC運営者・D2Cブランド・サンプリング施策を行う事業者すべてが対象です。

規制の中心は2つあります。1つは「不当表示の禁止」(第5条)。もう1つは「景品類の制限・禁止」(第4条)で、過大な景品類提供を制限する規制です。EC実務では前者の「不当表示の禁止」が論点となるケースが圧倒的に多くなります。

第5条の不当表示は3類型に整理されます。第1号「優良誤認表示」、第2号「有利誤認表示」、第3号「指定告示」(おとり広告・ステマ規制等)。EC事業者はこの3類型の理解が必須です。

Types

不当表示の3類型

第5条が規定する優良誤認・有利誤認・指定告示の違いを整理します。

第5条第1号

優良誤認表示

商品・役務の品質、規格、その他の内容について、実際のもの・他社のものより著しく優良であると一般消費者に誤認させる表示。

代表的な事例

  • -実際は国産でない商品を「100%国産」と表示する
  • -効果が実証されていないのに「シミが消える」と断定的に表示する
  • -比較対象を明示せずに「業界最高品質」と表示する
  • -成分量を実際より多く表示する
第5条第2号

有利誤認表示

商品・役務の価格、その他の取引条件について、実際のもの・他社のものより著しく有利であると一般消費者に誤認させる表示。

代表的な事例

  • -通常価格と称して、実際にはその価格で販売実績がない二重価格表示
  • -実際は提供されない特典を「今だけ」と表示する
  • -送料が別途かかるのに「送料込み価格」と誤認させる表示
  • -「業界最安値」と表示しながら同条件の競合より高い
第5条第3号

指定告示

消費者庁長官が個別に指定する不当表示の類型。ステルスマーケティング規制、おとり広告、無果汁飲料の表示、不動産のおとり広告などが含まれます。

代表的な事例

  • -事業者の表示であることを判別困難な表示(ステマ規制、2023年10月施行)
  • -実際には販売できない商品を広告する「おとり広告」
  • -原産国に関する不当表示
  • -無果汁の清涼飲料水等についての表示
No.1 Claims

「No.1」「最高」表記の規制

消費者庁ガイドラインに基づくNo.1表示の3要件と、違反パターンを整理します。

No.1表記の3要件(消費者庁ガイドライン)

  • -比較対象の範囲(業界・地域・期間など)が客観的に明示されていること
  • -客観的調査・データに基づく合理的根拠資料があること
  • -調査時期・調査機関・調査対象・調査方法が明示されていること

違反となりやすいパターン

  • -自社調査のみで「業界No.1」と表示(第三者機関の検証がない)
  • -アンケート対象が極端に少ない、または偏ったサンプル
  • -「顧客満足度No.1」を、定義不明のまま表示
  • -期間限定の調査結果を、現在も継続中であるかのように表示
  • -「最高」「最強」「最速」などの最上級表現を根拠なく使用

代替表現(推奨)

  • -「2024年〇月時点の自社調べ」と注釈で範囲・時期を明示
  • -「導入実績〇〇社」と具体的数値で訴求
  • -「お客様アンケートで〇%が満足と回答」と根拠を明示
  • -比較対象を限定(「自社製品の中で最大容量」など)
Sampling

サンプリング施策と景品表示法の関係

サンプリング施策で景品表示法に抵触しやすい論点を実務目線で整理します。

サンプリング募集ページの表示

「成果保証」「効果確実」など断定的表現は使用しない。「商品認知拡大を目指す」「レビュー獲得を支援する」など、結果を保証しない表現にとどめる。

サンプリングで得られたレビューの掲載

サンプル提供を経たレビューを「お客様の声」として掲載する場合は、提供関係を明示する。提供関係を隠すと指定告示(ステマ規制)違反となる。

成果事例(モデルケース)の表現

「レビュー数〇倍」等の数値は、対象期間・条件・出典を明記する。極端な倍率(20倍以上等)は使用しない。「※特定の条件下における一例であり、成果を保証するものではありません」を付記する。

Amazon・楽天等モール内の表示

商品ページの効能効果表現、ランキング表示、価格表示について、各モール規約と並行確認する。「楽天ランキング1位」等の表示も、期間・カテゴリの明示が必要。

PRキャンペーンでの景品提供

サンプリング施策でモニターにプレゼントを付ける場合、第4条の景品類規制が並行適用される。総付景品(一律提供)の上限は取引価額の20%が原則。

Penalties

違反時の罰則

景品表示法第7条・第8条に基づく行政処分と関連制度の概要。

措置命令(第7条)

違反行為の差止め、再発防止策の実施、一般消費者への周知措置等を消費者庁が命じます。命令は消費者庁公式サイトで公表され、企業名と違反事実が広く共有されます。

課徴金納付命令(第8条)

対象期間における不当表示対象の商品・役務の売上額の3%を国庫に納付する命令です。対象期間は最長3年遡及。自主申告による50%減額制度があります。

適格消費者団体による差止請求(第34条)

消費者庁長官に認定された適格消費者団体が、違反事業者に対して差止請求を行うことができます。措置命令と並行して民事的な差止訴訟が起こされる可能性があります。

都道府県知事の措置命令権限

都道府県知事も景品表示法に基づく措置命令を発出できます。地域に根差した事業者は、消費者庁だけでなく都道府県の指導も受け得る点に留意が必要です。

TryNow Compliance

TryNowの景品表示法遵守設計

株式会社Cloth labが運営するTryNowのコンプライアンス運用設計。

1

誇大・断定表現の事前排除

サンプリング施策の募集ページ、モニター向けガイドラインで「効果確実」「必ず」「絶対」等の断定表現を使用しません。表現範囲のチェックリストを運用フローに組み込んでいます。

2

実績数値の出典明記

ケーススタディ・成果事例ページに掲載する数値には、対象期間・対象商品・条件を明記します。「※結果は商品・市場環境・競合状況等により異なります」の注記も必須としています。

3

感想内容の指示・誘導禁止

モニターに対して「高評価」「特定の表現を入れる」等の指示を一切行いません。優良誤認・有利誤認となるレビュー誘導を運用上排除しています。

4

PR表記ガイドラインの配布

サンプリング配送時に、PR表記ガイドラインを書面で配布。提供関係を明示することで指定告示(ステマ規制)にも並行対応します。

5

モール規約との並行確認

Amazon・楽天・Qoo10・Yahoo!ショッピングなど主要モールの規約と景品表示法を並行確認。法令OKでもモール規約NGとなる施策は事前にスクリーニングします。

FAQ

よくある質問

景品表示法はどんな法律ですか?+
結論: 不当な表示と過大な景品類提供を禁止し、一般消費者の利益を保護する法律です。 正式名称は「不当景品類及び不当表示防止法」(昭和37年法律第134号)。所管は消費者庁です。商品・役務の品質や取引条件について消費者を誤認させる表示と、過大な景品類提供によって誤った商品選択をさせる行為を規制します。EC事業者・サンプリング事業者・広告主すべてが対象です。
優良誤認表示と有利誤認表示の違いは?+
結論: 優良誤認は「品質・内容」の誤認、有利誤認は「価格・取引条件」の誤認です。 優良誤認表示(第5条第1号)は、商品・役務の品質や規格、内容について実際より優良であると誤認させる表示。例:「100%国産」と偽る、効能を誇大表示する。有利誤認表示(第5条第2号)は、価格や取引条件について実際より有利と誤認させる表示。例: 二重価格表示、送料別なのに「送料込み」と誤認させる表示。
「No.1」「業界最安値」と表示するために必要なことは?+
結論: 比較対象範囲の明示、客観的調査の合理的根拠資料、調査主体・時期・方法の明示の3点が必要です。 消費者庁ガイドラインでは、No.1表示にあたり客観的調査に基づく合理的根拠が要求されています。自社調査のみでの「業界No.1」表示はリスクが高く、第三者調査機関の検証データを推奨します。「2024年〇月時点の自社調べ」のように調査範囲・時期を注釈で明示することが基本です。
サンプリング施策のレビューを掲載する際の注意点は?+
結論: 提供関係を明示することと、レビューが特定の表現に誘導されていないことが必要です。 サンプル提供を経たレビューを「お客様の声」として商品ページや広告素材に掲載する場合、提供関係を隠すと指定告示違反(ステマ規制)になります。さらに、レビュー内容を事業者が指示・誘導していた場合、優良誤認表示として景品表示法違反となるリスクがあります。中立的な感想収集と提供関係の明示が必須です。
二重価格表示はどこまで許されますか?+
結論: 比較対照価格に「最近相当期間にわたって販売されていた実績」が必要です。 消費者庁の二重価格表示ガイドラインでは、「通常価格〇〇円のところ△△円」と表示する場合、その「通常価格」で過去に相当期間(おおむね最近8週間のうち4週間以上)販売されていた実績がない場合、有利誤認表示に該当する可能性があります。架空の通常価格を設定して値引き感を演出する手法は違反リスクが高い表示です。
違反した場合の罰則は?+
結論: 措置命令(差止め・公表)と課徴金納付命令(対象売上の3%)が主な処分です。 措置命令は消費者庁公式サイトで公表され、企業名と違反事実が広く共有されます。課徴金納付命令は対象期間(最長3年)における該当商品・役務の売上額の3%が国庫に納付されます。自主申告による50%減額制度があります。措置命令の公表によるブランド毀損が、直接の罰金以上に事業影響が大きい場合が多いとされています。
サンプリング施策で景品をつけるのは違反になりますか?+
結論: 第4条の景品類規制内であれば適法です。総付景品の上限は取引価額の20%が原則。 景品表示法第4条は、過大な景品類提供を制限します。一律に提供する「総付景品」は、取引価額1,000円未満の場合は200円、1,000円以上の場合は取引価額の20%が上限。懸賞景品(抽選で当てる)は別の上限が設定されています。サンプリング施策で別のプレゼントを付ける場合、この上限規制を必ず確認する必要があります。
TryNowは景品表示法にどう対応していますか?+
結論: 誇大・断定表現の事前排除、実績数値の出典明記、レビュー誘導禁止の3つの軸で運用設計しています。 TryNow(株式会社Cloth lab運営)は、サンプリング施策で景品表示法・指定告示(ステマ規制)に抵触しないよう、表現範囲のガイドラインをモニター向けに事前配布します。成果事例も対象期間・条件・出典を明記し、極端な倍率や断定表現を排除。各ECモールの規約と並行確認する運用設計を採用しています。

出典・参考資料

免責事項

本ページの記載は、TryNow編集部(運営: 株式会社Cloth lab)が消費者庁の公表情報を整理した一般的な実務ガイドであり、特定事案に対する法的助言を構成するものではありません。個別の施策については、景品表示法に詳しい弁護士・法務担当者にご相談ください。

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