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薬機法とは|医薬品医療機器等法のEC・サンプリング実務解説

公開: 2026年5月8日編集: TryNow編集部(株式会社Cloth lab)出典: 厚生労働省

化粧品・サプリ・健康食品メーカー必読の薬機法(医薬品医療機器等法)解説。化粧品の効能効果範囲、健康食品・サプリの表現範囲、サンプリング施策で抵触しやすいレビュー表現、罰則を厚生労働省・消費者庁の公表情報をもとに整理しました。

TL;DR

  • 薬機法は医薬品・医薬部外品・化粧品・医療機器・再生医療等製品の品質と安全性を確保する法律。所管は厚生労働省。
  • 化粧品の効能効果は告示で56種類が示されており、これを超える表現(シミが消える等)は薬機法第66条の誇大広告等の禁止に抵触し得る。
  • 健康食品・サプリメントは医薬品ではないため、医薬品的な効能効果(病気の治療・予防・診断)を標榜することは原則禁止。
  • サンプリング施策のレビュー・PR表記でも、第三者の体験談を装った医薬品的効能効果の表現は薬機法・景品表示法の双方に抵触する可能性がある。
  • TryNow(株式会社Cloth lab運営)はモニターへの表現範囲ガイドライン配布で、化粧品56効能の範囲遵守と医薬品的表現の排除を運用設計に組み込む。
Overview

薬機法とは

目的・対象・規制構造の全体像。

薬機法は正式名称「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(昭和35年法律第145号)。2014年の法改正で「薬事法」から名称変更されました。所管は厚生労働省です。

対象は医薬品・医薬部外品・化粧品・医療機器・再生医療等製品の5カテゴリ。製造・販売・広告のすべてが規制対象で、ECサイト・SNS・パンフレットなど媒体を問わず適用されます。

EC実務で論点となるのは主に第66条(誇大広告等の禁止)と第68条(承認前医薬品等の広告の禁止)です。承認・届出された範囲を超える効能効果を広告することは、これらの条項に抵触するリスクがあります。

薬機法の特徴は「医薬品ではない商品が医薬品的な効能効果を標榜すること」も規制対象としている点です。健康食品・サプリメント・雑貨化粧品が「治る」「効く」と標榜すれば、無承認医薬品の広告として違反となります。

Cosmetics

化粧品の効能効果の表現範囲

厚生労働省告示で定められた化粧品の効能効果56項目と、その範囲を超える表現の例を整理します。

化粧品で表現できる効能効果(告示56種類の例)

  • -肌を清浄にする / 肌を整える / 肌のキメを整える
  • -皮膚にうるおいを与える / 皮膚の水分・油分を補い保つ
  • -肌荒れを防ぐ / 肌をひきしめる
  • -皮膚にはり・つやを与える / 肌を柔らげる
  • -皮膚を保護する / 皮膚の乾燥を防ぐ
  • -日やけによるシミ・ソバカスを防ぐ(注: 「メラニンの生成を抑え」は薬用化粧品〈医薬部外品〉の範囲)
  • -毛髪・頭皮を清浄にする / フケ・カユミを抑える

化粧品で使用できない表現の例

  • -「シミが消える」「シワがなくなる」(医薬品的効能効果)
  • -「ニキビを治す」(医薬品的効能効果。化粧品は「肌荒れを防ぐ」までが上限)
  • -「アンチエイジング効果がある」(具体的効能を伴う場合)
  • -「アトピーに効く」「敏感肌が治る」(医薬品的効能効果)
  • -「医師推奨」「クリニックで使用」を強調する表示(誤認誘発の懸念)
  • -「即効性」「劇的効果」など過度な期待を抱かせる表現

薬用化粧品(医薬部外品)と化粧品の違い

  • -薬用化粧品は医薬部外品として承認を受けた商品。「メラニンの生成を抑え、しみ・そばかすを防ぐ」「肌荒れ・あれ性」「ニキビを防ぐ」など、化粧品より一段踏み込んだ表現が可能
  • -ただし承認内容を超える表現(「メラニンを除去」「ニキビを治す」等)は不可
  • -EC商品ページ・サンプリング告知文では、化粧品か医薬部外品かを明記し、それぞれの表現範囲を遵守する

※化粧品の効能効果56項目の全リストは、厚生労働省「化粧品の効能の範囲の改正について」(出典欄リンク)をご確認ください。

Health Food

健康食品・サプリメントの表現範囲

医薬品ではない食品で表示できる範囲と、できない範囲を整理します。

原則: 医薬品的効能効果の標榜は禁止

健康食品・サプリメントは「食品」であり医薬品ではありません。「病気の治療・予防・診断」を目的とする表示や、医薬品の効能効果を標榜する表示は薬機法(無承認医薬品の広告)に抵触します。

保健機能食品制度の3区分

「特定保健用食品(トクホ)」「機能性表示食品」「栄養機能食品」の3区分で、定められた表現範囲内であれば機能性の表示が可能です。それ以外の一般健康食品では、機能性の表示は基本的にできません。

機能性表示食品の表示ルール

事業者の責任で機能性を表示できる制度ですが、消費者庁への届出と科学的根拠の整理が必要です。届出範囲を超える表現(「治る」「予防できる」等)は不可。届出表現と異なる訴求はできません。

違反となりやすい表現

「血圧を下げる」「ガンを予防する」「視力が回復する」「ダイエット効果がある」「高血圧・糖尿病に効く」など、医薬品的効能効果を標榜する表現はすべて違反リスクがあります。

「個人の感想」表記でも違反になり得る

ユーザーレビューや体験談として「これで〇〇が治った」と記載することも、事業者の関与下で表示すれば医薬品的効能効果の広告と見なされ得ます。サンプリングを通じたレビューも同じ観点で表現範囲のガイドが必要です。

Sampling Notes

サンプリング施策で注意すべき表現

商品カテゴリ別に、サンプリング施策のレビューで起きやすい論点を整理します。

コスメ・スキンケアのサンプリング

化粧品56効能の範囲内に収まるレビュー表現を事前ガイドラインで示す。「シミが消えた」「ニキビが治った」等の医薬品的表現を含む投稿は避けてもらうよう、表現範囲のチェックリストをモニターに配布。

サプリメント・健康食品のサンプリング

保健機能食品でない一般健康食品では、機能性の表示は原則不可。「すっきりした」「気分が良い」など主観的・体感的な感想にとどめるよう、表現範囲を明示。「治った」「効果があった」等の表現は使わない。

機能性表示食品のサンプリング

届出表現の範囲内であればモニターレビューでも該当機能性に触れることが可能。届出表現を超える訴求(「血圧が大幅に下がった」等の体験談)は避ける。

薬用化粧品(医薬部外品)のサンプリング

承認された効能効果(メラニン生成抑制・ニキビ予防など)の範囲内で表現可能。承認外の効能(メラニンの除去・ニキビ治療等)に踏み込まないよう注意。

医療従事者・専門家を装ったレビューの禁止

「医師が推奨」「皮膚科で使用」等の表現は、医療従事者が関与している場合でもステマ規制・薬機法の双方で問題となる可能性がある。サンプリング施策では事業者関係者・医療従事者によるレビュー投稿は原則行わない。

Violations

違反となりやすい広告パターン

厚生労働省・消費者庁の公表事例で繰り返し見られる違反パターンを整理しました。

化粧品の医薬品的効能広告事案

化粧品ECで「シワが消える」「シミがなくなる」など、化粧品の効能効果範囲を超える表現を商品ページ・SNS広告に使用。厚生労働省所管の薬事監視で行政指導の対象となるケースがあります。

サプリメントの医薬品的効能広告事案

ダイエットサプリで「飲むだけで〇kg痩せる」「血糖値が下がる」など医薬品的効能を標榜。無承認医薬品の広告として薬機法違反、加えて優良誤認として景品表示法違反の対象になるケースがあります。

健康食品レビューでの医薬品的体験談事案

健康食品の商品ページに「〇〇が治った」「△△が改善した」等のユーザー体験談を、事業者の関与下で掲載。医薬品的効能効果の標榜と判断され、行政指導の対象となるケースがあります。

※上記は厚生労働省・都道府県の薬事監視・行政指導で繰り返し見られるパターンの整理です。個別事案については各監督官庁の公表資料をご確認ください。

Penalties

違反時の罰則

行政指導・刑事罰・課徴金納付命令の3層構造を整理します。

都道府県知事・厚生労働省による行政指導

違反表示の差止め、改善命令、業務停止命令など、段階的な行政処分が行われます。多くの事案は行政指導段階で改善対応が求められます。

刑事罰(薬機法第85条等)

誇大広告等の禁止違反、無承認医薬品の広告等は、2年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金、又はこれの併科の対象となり得ます。法人にも両罰規定により1億円以下の罰金が科される場合があります。

課徴金納付命令(薬機法第75条の5の2)

2021年8月施行の薬機法改正により、虚偽・誇大広告に対する課徴金制度が導入されました。違反期間中の対象商品の売上額の4.5%が課徴金として国庫に納付される命令が出される場合があります。

景品表示法との二重適用

医薬品的効能効果を装う表示は、薬機法だけでなく景品表示法(優良誤認表示)の対象にもなります。両法の措置命令・課徴金が並行して発動される可能性があります。

TryNow Operation

TryNowの薬機法対応運用設計

株式会社Cloth labが運営するTryNowは、コスメ・健康食品のサンプリング施策で薬機法を遵守した運用設計を採用しています。

1

化粧品56効能リストの事前共有

コスメ・スキンケアのサンプリング施策では、厚生労働省告示の化粧品の効能効果56項目をモニター向けガイドラインに反映し、表現範囲を明示します。

2

医薬品的効能効果の禁止表現リスト

「治る」「効く」「治癒」「症状が改善」等の医薬品的表現の禁止リストをサンプリング募集時に共有。健康食品・サプリのサンプリングでも同様に運用します。

3

保健機能食品制度の区分確認

サンプリング対象商品が一般健康食品か、保健機能食品(トクホ・機能性表示食品・栄養機能食品)かを事前確認。届出範囲を超える表現を排除します。

4

投稿後のモニタリング

投稿内容に化粧品56効能を超える表現や医薬品的効能効果が含まれていないかチェックし、必要に応じて修正・削除を依頼します。

5

景品表示法・薬機法・指定告示の三重チェック

コスメ・健康食品のサンプリング施策では、景品表示法(優良誤認)・薬機法(誇大広告)・指定告示(ステマ規制)の3つの観点で表現を事前確認します。

FAQ

よくある質問

薬機法はどんな法律ですか?+
結論: 医薬品・医薬部外品・化粧品・医療機器・再生医療等製品の品質と安全性を確保する法律です。 正式名称は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(昭和35年法律第145号)。所管は厚生労働省。EC実務では第66条(誇大広告等の禁止)と第68条(承認前医薬品等の広告の禁止)が論点になります。承認範囲を超える効能効果の広告は違反リスクがあります。
化粧品のサンプリングでレビューに書ける表現の範囲は?+
結論: 厚生労働省告示の化粧品の効能効果56項目の範囲内です。 「肌を整える」「皮膚にうるおいを与える」「肌荒れを防ぐ」「日やけによるシミ・ソバカスを防ぐ」など、告示で示された効能効果の範囲内が原則です。「シミが消える」「シワがなくなる」「ニキビを治す」等は医薬品的効能効果に該当し、化粧品では使用できません。薬用化粧品(医薬部外品)は別途承認範囲があります。
健康食品・サプリメントのサンプリング表現で気をつけることは?+
結論: 医薬品的効能効果(治る・予防・診断)を標榜する表現は使用できません。 一般健康食品では機能性の表示は基本的に不可。「すっきり」「気分が良い」など主観的な感想にとどめます。トクホ・機能性表示食品では届出範囲内で機能性表示が可能ですが、届出表現を超える訴求はできません。「血圧が下がる」「ダイエットに効く」等は違反リスクが高い表現です。
「個人の感想」と注記すれば医薬品的効能効果でも書けますか?+
結論: 注記しても違反リスクは残ります。 「個人の感想です」「効果には個人差があります」と注記しても、事業者の関与下で「治った」「効果があった」等の表現を表示すれば、医薬品的効能効果の広告と見なされる可能性があります。注記は薬機法違反の免罪符にはなりません。サンプリングのレビュー収集時から表現範囲を遵守する運用が必要です。
薬用化粧品と化粧品で表現範囲はどう違いますか?+
結論: 薬用化粧品(医薬部外品)は化粧品より一段踏み込んだ表現が可能です。 薬用化粧品は医薬部外品として承認を受けた商品。「メラニンの生成を抑え、しみ・そばかすを防ぐ」「肌荒れ・あれ性」「ニキビを防ぐ」など、化粧品では使えない表現が承認範囲内で可能です。ただし「メラニンを除去」「ニキビを治す」等の承認外表現は使えません。商品ごとに承認内容を確認することが必要です。
違反した場合の罰則は?+
結論: 行政指導、刑事罰、課徴金納付命令の3層構造です。 第一段階は行政指導(差止め・改善命令)。違反が悪質な場合は第85条の刑事罰(2年以下の懲役・200万円以下の罰金)の対象になり得ます。2021年8月施行の改正で課徴金制度が導入され、虚偽・誇大広告には対象商品売上額の4.5%が課徴金として国庫に納付されます。景品表示法との二重適用も発生し得ます。
「医師が推奨」「皮膚科で使用」と書くのはOKですか?+
結論: 原則として避けるべき表現です。 医療従事者の推奨を強調する表現は、消費者に医薬品的な効果を期待させる誤認を招きやすく、薬機法の誇大広告等の禁止に抵触する可能性があります。さらに、ステマ規制(指定告示)の観点でも、医療従事者と事業者の関係性を明示しない場合は違反リスクがあります。サンプリング施策では事業者関係者・医療従事者によるレビュー投稿は原則行わない運用が望ましいです。
TryNowはコスメ・健康食品のサンプリングでどう薬機法対応していますか?+
結論: 化粧品56効能リスト・医薬品的効能効果の禁止リスト・保健機能食品制度の区分確認の3点を運用設計に組み込んでいます。 TryNow(株式会社Cloth lab運営)は、コスメサンプリングでは化粧品の効能効果56項目を、健康食品サンプリングでは医薬品的効能効果の禁止表現リストをモニター向けガイドラインに反映します。投稿後のモニタリングで表現範囲を確認し、必要に応じて修正を依頼。景品表示法・薬機法・指定告示の3つの観点で事前チェックします。

出典・参考資料

免責事項

本ページの記載は、TryNow編集部(運営: 株式会社Cloth lab)が厚生労働省・消費者庁の公表情報を整理した一般的な実務ガイドであり、特定事案に対する法的助言を構成するものではありません。個別の施策については、薬機法に詳しい弁護士・薬事法務担当者にご相談ください。

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